こんにちは、しにち(@yurukashi_yrks)です!
賢く生きるための情報を日々発信しておりますが、お金の知識や働くことの知識以外にも必要な知識というのがあります。
その1つは騙されないための知識。
特に今はネットから無限に情報が得られますが、それが正しいのかどうかの判断については、受け取り手のリテラシーが試されるところです。
つい先日も大手企業が運営するサイトの信憑性が問題となりましたよね。
特に私たちが騙されやすいことの1つとして、統計があると思います。
例えば、「顧客満足度90%」なんて広告をよく目にしますよね。そして「90%なんてすごい!自分も買ってみよう!」といった具合で製品を買ってしまった経験、一度くらいありませんか。でもこれ、実は数字のトリックだったりするのですよ。
というわけで今回は、統計の罠に騙されないためのお話です。
スポンサードリンク
関連記事
Contents
分母に着目すること
上記の「顧客満足度90%」という例について話していきます。
「%」などの割合が出てきたら、まずは分母に着目してみることが大事です。
今回の例で言うと、何人を対象にアンケートを行ったのかという点ですね。
一般的に統計はサンプル数が多ければ多いほど精度は高くなります。逆に言えば、少ないサンプルであれば偏った数値になる可能性が高いということです。
90%の満足度と言いますが、100人にアンケートをして90人から回答を得たわけではなく、もしかしたら50人かもしれないし、10人かもしれない。
このように分母を少なくすることで、都合よく数値をコントロールすることが可能というわけです。
分母を多くすることでのトリック
ここで統計にまつわる面白い話があるので、1つご紹介します。
ある大金持ちの資産家に投資コンサルタントがこう伝えます。
「私はプロのコンサルタントです。緻密な分析によって、これから値があがる銘柄を当てることができます。あなたの資産をさらに増やしてみせますよ」
そうしてコンサルタントは毎週「これから値が上がるであろう銘柄」について記載した手紙を投資家に送ります。
最初の週に受け取った銘柄は週末には値段が倍になり、翌週も別の銘柄が値上がりします。そしてその次の週の銘柄も見事に値上がりし、資産家はすっかりコンサルタントを信用します。
自分の資産の管理を依頼し、コンサルタントの口座にお金を振り込んだ瞬間、そのコンサルタントはそのお金を持って逃げていきました。
投資家は騙されたと落ち込みましたが、最後までコンサルタントの「予言」の秘密がわかりませんでした。
さて、これがどんなトリックなのか、わかりますでしょうか。
答えは分母を多くしたから。
つまり、コンサルタントは複数の投資家に話を持ちかけていたんです。
最初から複数の投資家へ同じように手紙を送っていたコンサルタントは、最終的に予測が全て的中した資産家をカモに選んだというわけです。
これがまさに分母を増やすことによって相手を騙すトリックです。おもしろいですよね!
期間や調査対象はどうか
加えて、分母の他に期間や調査対象についても注目した方がよさそうです。
90%の顧客満足度とは、どの期間にアンケートを行ったのだろう?
何かユーザーが喜ぶキャンペーン(例えばキャッシュバックやポイント2倍など)を行っている期間にとったアンケートだとすると、通常とは違い顧客が喜んでいる期間なわけなので、その分満足度も違いますよね。
もしくは購入したばかりのタイミングで採ったアンケートかもしれません。
また、誰を対象に行ったアンケートなのかという点も注意です。
ライトユーザーとヘビーユーザー、一見様と常連とでは、もちろん満足度が違うに決まっていますからね。
Sponsored Link
身近な数字のトリック例
実は見せ方によって誤った解釈がされている身近な例はたくさんあります。ここではそんな具体的な例を見ていきましょう。
就職率のトリック
例えば就職率の話。
今はアベノミクス効果が出てきて就職率は向上しているけれど、就職率が低いと言われた2005年の就職率は約60%でした。一方、その15年前の1990年の就職率は約80%。就職率が20%減ったことで、当時のマスコミは就職氷河期だと騒いでいたようです。
ではここで、この就職率という割合を分解して考えてみます。
就職率は正社員の就職者数を大卒者で割ったものです。
このように見てみると、1990年の就職者数は約324,000人、大卒者数は約400,000人、2005年は就職者約329,000人、大卒者数約550,000人となります。
[table id=19 /]
どうでしょう。就職者数で見ると、むしろ増えていますよね!
就職率が低下したのは、企業の採用が減ったからではなく、大卒者数が大幅に増えたことが原因ということがわかるはずです。
食料自給率のトリック
もう1つは食料自給率のお話。
日本の食料自給率は40%くらいと言われていて、海外からの輸入に頼っていると学校で習ったと思います。
しかし、この食料自給率の計算方法を知ると、別の解釈が出てきます。
食料自給率は食べている物をカロリーベースで計算しているのだそうです。つまり、国産の割合がカロリーベースでどれくらいあるかを示す指標が食料自給率となります。
ということは、海外のハイカロリーなものを食べれば、食料自給率は下がりますよね。
昔に比べて食料自給率が下がったのは日本の農家の生産能力が落ちたなどではなくて、ハイカロリーな輸入食品を多く食べるようになったことが原因ということらしいのです。
ちなみにこのカロリーの計算方法も少し特殊のようで、国産の家畜であっても海外から輸入した餌を食べるとその分は海外からのものと計算されてしまうらしく、場合によっては国産の豚や牛でも食料自給率が5%なんて結果になることもあるのだとか。なんだそれはw
(これらの例はエンゼルバンクという漫画に書いてあるので、興味あれば読んでみてね。)
まとめ
・期間や調査対象についても考えてみると良い
・主張されたデータの裏にある意図を読み取ってみると安易に騙されなくなる
こんな風に考えると、普段テレビで流れているデータや、自分たちが当たり前だと思っている情報も、本来は別の意味を持っているかもしれないですよね。
データに基づいた主張について考えるときは、それを主張している人の意図や感情に注目していく必要がありそうです。
「このデータを使って、何が言いたいんだろう?言いたいことのために、データの見せ方を工夫しているだけなのではないか?」
小賢しいけれど、そんな風に考えることによって、無駄に商品を買わされたり、騙されたりするのを防げるかもしれません。
ついデータを見せられると納得してしまう…なんて人は、是非実践してみてくださいね。
ではでは!
スポンサードリンク
関連記事