どうも、しにち(@yurukashi_yrks)です!
ふらっと寄った本屋でおすすめされていて、話題ということもあり読んでみました。「ちょっと今から仕事やめてくる」は北川恵海さんの小説で、最近では映画化もされています。
あらすじ
ブラック企業にこき使われて心身共に衰弱した隆は、無意識に線路に飛び込もうとしたところを「ヤマモト」と名乗る男に助けられた。 同級生を自称する彼に心を開き、何かと助けてもらう隆だが、本物の同級生は海外滞在中ということがわかる。 なぜ赤の他人をここまで気にかけてくれるのか? 気になった隆は、彼の名前で個人情報をネット検索するが、出てきたのは、三年前に激務で鬱になり自殺した男のニュースだった――
引用:http://mwbunko.com/978-4-04-869271-7/
あらすじの通り、ブラック企業で働いていて衰弱している主人公とそれを助けた元同級生ヤマモトのお話。この時代の雇用環境をテーマにした感動ストーリーです。
私も忙しくてストレスフルだった頃を思い出し、ちょっとうるっときてしまった…。
さて、最後は感動する同作品ですが、ブラック企業に勤める人の心理描写がとてもよく表現されておりました。ブラックな働き方について、思ったことをまとめてみますね。
スポンサードリンク
自分の強みや特性がわかるグッドポイント診断。18種類の中から強みを5つ診断してくれる無料のツールです。
関連記事
Contents
ブラック企業にいる人の異常な心理状態
主人公である隆はブラック企業に勤めています。営業成績が悪いと部長に怒鳴られ、机を蹴られ、「てめぇなんて生きてる価値ねぇんだよ!」と毎日罵られる。(やばすぎだろ笑)
そして残業も多く週6日働くも、残業代や休日出勤手当ての支給は一切なし。
普通の感覚で見れば明らかにブラック企業なのだけど、異常な環境を目にし過ぎている社員にとっては、それが当たり前になってしまうのです。
そのため、悪い意味で会社に慣れてしまい、劣悪な会社にも関わらず居続ける社員がいるわけなのですね。
どうして辞められない?
「そんな環境辞めた方がいいだろ!」と一般の人は思うのだけど、実際にブラック企業に勤めている人にはなかなか響かないようです。
この本でもそんな描写がいくつかあるのだけど、辞められないのは下記のような理由があるからみたい。
自分に自信が持てなくなる
本書ではこんな描写があります。
たとえ転職したところで、俺は社会で活躍できるような人間じゃないし、そもそもこんな使えない男を雇ってくれる会社なんて見つかるわけがない。
社会のゴミでしかない俺を置いてくれるこの場所に、俺はい続けるしかない。
うう…辛すぎる…。辛すぎるよその考え…。泣
隆は毎日罵倒され、小さなミスでも指摘され、人間性までも否定される環境にいます。どんな人でも、毎日自分を否定されると、必然的に自信がなくなっていくんだろうな…。
特に営業だと成績が目に見えるわけで、好調なときは良いけれど、不調のときは余計に落ち込むのだと思います。
「こんな自分はどんな環境に行ってもダメだ…」という呪縛を無意識に自分へかけてしまってるのですね。
当たり前に縛られている
・このご時世に会社を辞めたら次の就職先が見つかるわけがない
・他のやつらは良い会社でちゃんと頑張ってるんだから、俺だけ辞めたら負け組だ
・正社員を辞めたらこの先結婚もできず、楽しい人生が送れなくなる
上記は、いわゆる社会通念的な当たり前の考え方です。当たり前の考えから外れてしまうと、幸せになることはない!と思い込んでいるわけですね。
こんな思いに縛られる隆には、会社を辞めるという選択肢はありません。今の会社にいるしかないと、必死で我慢しています。
Sponsored Link
ヤマモトに学ぶ、働くことへの価値観
さて、そんな毎日を送る隆の前に、ヤマモトという隆の小学校の同級生が現れます。
彼は無職で「まぁ、就職なんてせんでも、意外と生きていけるからな」といった具合に、いわゆる常識に囚われない考えを持った人物です。そんなヤマモトから、働くことについての気づきをもらっていく隆と、その心境の変化がこの話の良さだと感じますね。
さて、ここではヤマモトが話した働くことへの意見をご紹介したい。なかなか学ぶべき言葉が多かったよ!
環境を変えることの必要性
ブラックな環境に耐え続ける隆に対して、転職を薦めるヤマモトの言葉です。
「同じくらいの順位のチームでも、全く点を取られへんかった選手が、チームを移った途端、大活躍する場合だってあるやろ。それはそのチームが選手に合ってるからや。言い換えれば、前のチームがその選手には合わんかったんや。人と同じで、職場にも相性ってもんがある。動くことには確かにリスクもあるけど、現状を変えるのが難しいなら、動いてみるのも有効な手段やねんで」
その通りですよね。環境が変わることで、自分本来の実力が出せるようになった例はたくさんあります。これは人間関係だけでなく、その他雇用環境、仕事内容にも当てはまる。
仕事を辞めるなんて簡単なこと
「お前なあ、今の日本では、そんなにすぐに仕事辞めるなんて、無理なんだよ」
「なんで?辞表出したらそれで終いや」
「簡単に言うなよ」
「簡単なことやろ」
ヤマモトの言う通り、辞めるなんて簡単なんですよね。でもみんな、「辞める=悪」という観念に囚われて動けなくなっている…。
もちろん無計画に辞めることを薦めているわけじゃないけれど、毎日が辛いとか体調不良が続いているなんて状態なら、前向きに退職を考えてみていいんじゃないだろうか。明らかに自分のためじゃないし、案外なんとでもなりますから!
「当たり前」に思っていることは、本当に大事なことなのか?
いわゆる常識に縛られている隆と、そんな常識に縛られないヤマモトとの会話。
「あのなあ!ニートのお前にはわかんねーかもしれないけどなあ、このご時世、正社員で就職するって大変なことなんだぞ!」
「そもそもなんで正社員にこだわるわけ?正社員じゃなくなったらどうなるの?」
「そりゃ……保障とか保険とか……色々あるだろ」
「このご時世、その会社が、生涯安泰な保証もないのに?」
「そんなこと言いだしたってしょうがないだろ。男なんだから、将来結婚とか、家族養うとか考えたら、絶対正社員の方がいいし」
「彼女もおらんのに?てか、そんなに働いてて出会いなんてあんの?ちゃんとデートする時間あんの?結婚まで持っていけんの?」
「それは!付き合えばなんとかなるよ……」
他人の当たり前が自分の当たり前とは限らないってことだよね。
正社員じゃなきゃいけない。休んじゃいけない。3年勤めなきゃいけない。企業勤めをしなきゃいけない。結婚しなきゃいけない。etc.
それって本当に自分にも当てはまるのだろうか。
みんなが一斉に同じ人生を歩むという時代は終わっているので、今後は自分の幸福は自分で定義するべきですよね。自分やその周りの信頼できる人たちにとって良ければ、それでいいわけです。いいこと言うなぁ、ヤマモト。
仕事が辛いときはどうしたらいいのか
この主人公、隆まではいかなくても、仕事辛い…辞めたい…という人はきっとたくさんいると思います。目標のためなどと割り切れているうちはいいのだけど、もう無理!って状態になったら、友人や家族にちゃんと話すべきです。「辞めてもいいんじゃん?」と、案外けろっと答えをくれるかもしれないですよ。
そして落ち着いてきたら、「何のために働くのか」をちゃんと考えて、次のアクションを決めるといいと思う。
まとめ
今の会社で働かなきゃいけないと思い込んでいる隆と、当たり前に囚われない別の生き方もあると示してくれるヤマモト。仕事が辛いと感じている人には、気づきを得たり、立ち止まって考えるには良い物語だなと感じます。
文章もわかりやすいし会話の部分も多いため、2時間くらいでさらっと読めておすすめです。興味があれば、ぜひ読んでみてね。
それでは!
スポンサードリンク
関連記事