資産形成後のファンド解約のこと、考えていますか?
現在投資信託積立によって長期資産運用を継続中ですが、ふと解約するときのことを考えたのですよね。
例えば自分が70歳まで資産形成を継続したとして、さぁ解約するぞというタイミングでバブル崩壊やリーマンショック並の暴落が起きたらどうなるのだろう。
悲観的ではありますが、投資する上ではリスクの把握と対策は必須です。何十年後かにファンドを解約するときにどうすべきか。つまり投資の出口戦略について調べてみましたよ。
調べてみるとこの疑問、「投資信託の出口戦略議論」として昔から語られているようで、実は既に答えが出ているのですね。(先人の皆様はさすがです)
というわけで、投信積立による長期運用の出口戦略について、まとめます。
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Contents
よくある「投資信託出口戦略批判」
投資信託の出口戦略については、否定的な意見が存在します。
それは、「将来ファンドを解約するときに、暴落が起きたらすべて水の泡になるのではないか」という内容です。まさに冒頭で私が抱いた懸念です。笑
もともと長期で積立投資をするメリットは、毎月コツコツ購入することで単価を下げ(ドルコスト平均法)、「安い時に買って高い時に売る」という投機と比べて、リスクを低めに運用ができるという点です。
それにもかかわらず、自分が解約するタイミングに暴落したら利益がなくなってしまうなんて、不確実でリスクが高い普通の投資と変わらないじゃないか!といった意見なのでしょうね。
しかしながらこの懸念、よくよく考えると実はそんなに恐れる必要はないのです。
暴落があっても恐れなくてよい理由
「解約時に暴落するリスクがあるのでは?」という点については、確かにその可能性は否定できません。しかし、下記ケースの場合は損をするわけではないのですよね。
基準価額より平均購入単価が低ければ損はしていない
例えば投資信託の基準価額(値段)が20,000円から17,000円に値下がりしたとします。3,000円の値下がりはかなりインパクトがありますが、仮にこれまでの平均購入単価が15,000円だったとしたら、差額の2,000円分は価値が上がっていることになるので、リターンは減るものの、損はしていないですよね。
投信積立をしていないケースと比べれば、得をしていることになります。
均等に取り崩すことで影響を小さくする
とはいえ、上記ケースではリターンが減ってしまったという精神的ダメージが大きいような気がしますよね。。しかしそれは、暴落したタイミングですべての投資信託を解約した場合の話です。
投信積立で毎月コツコツと資金を投入してきたように、解約についても一気に解約せず、毎月定額(もしくは定率)で均等に取り崩していくことで、暴落の影響を薄めることができます。
例えば毎月20万円ずつ取り崩すことにするとします。先ほどの例を使うと、基準価額(値段)が20,000円から17,000円に値下がりした場合は、20万円取り崩すために多くの口数を解約することになってしまいますが、その翌月や翌年など、時間が経つにつれて景気が回復すれば、また資産は値上がりするため、暴落の影響を平準化できるのですね。
積立によって平均的なリターンが確保できたように、解約についても均等に解約することで、その平均リターンを保つというわけです。
これを実践すれば、一過性の暴落も怖くないですね。
ちなみに、ファンド解約について、セゾン投信の中野社長は次のように回答しています。
「そもそもファンドには期限は無いんです。30年などという区切りをつけるのではなくて、長期投資はエンドレスだと考えて下さい。」
「30年待てる人であれば、平気な人です。その時に仮に暴落があったらまた少し、待てばいいんですよ。」
一気に値が下がると不安にはなると思いますが、中野さんが言うように、投資信託に期限はないと考えるべきかと。早まって解約を急いだりせず、景気には波があることを理解し、落ち着いて対処すればいいのですね。
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日本においては必ずしも長期投資が報われていない?
ただし、投資に絶対はないこともまた事実です。
平均購入額を下回るほどの暴落が起き、且つ長期間続いてしまう状況であれば、一気に解約しようが均等に解約しようが、損は出てしまいます。
世界的にみるとそこまでの暴落はあまり起きないし、起きても数年経てばまた回復していくとは思うのだけど、1989年後半から起きた日本バブル崩壊では、一時40,000円近くあった日経平均株価が、1992年に16,000円台に下落したという歴史があります。
1980年から2017年にかけての日経平均推移。今好景気で20000円行く行かないのレベルだけど、バブル期って40000円くらいあったのね。このときからの落差を考えると、日経平均とかTOPIXに長期投資する気持ちがちょっと薄れるな…。まぁ未来のことはもちろんわからないのだけど。 pic.twitter.com/NOTavGQ6Jw
— しにち@ゆるかし! (@yurukashi_yrks) 2017年8月15日
現在の日本は好景気で20,000円を上下していますが、バブル当時の水準には遠く及びません。(まぁそれだけ異例だったということなのだけど。) 当時日経平均が30,000円くらいのときに株や投信を大量に買った人が、もしそれらをまだ保有しているとしたら、いまだに損を取り返せず、塩漬けにしておかざるを得ない状況になっているんですね。おそろしい…。
一方でアメリカは、株価暴落があってもその後回復し、現在まで右肩上がりの経済状況です。
一方でS&P500の長期推移はリーマンショックなどで一時は暴落するものの、しっかり右肩上がり。やはりアメリカ経済に長期投資すべきなのかも…! pic.twitter.com/lCArOZYz3P
— しにち@ゆるかし! (@yurukashi_yrks) 2017年8月16日
この事実を知って、最近日本株に長期投資をするのがちょっと怖いな、なんて感じています。。まぁどうなるかはわからないけれど、日本だけに投資するのは危険な気がする…。私も日本株に投資していますが、割合としては全体の15%程度に留めていますね。
まとめ
上記のように、解約を均等に行うことで、下落リスクを下げられるので、解約タイミングでの値下がりは、そこまで怖がる必要はないと思いますよ。
また、そもそも値下がりのリスクを避ける意味でも、きちんとしたポートフォリオ、分散投資を意識して投信積立をしていきたいですね。
よかったら参考にしてみてね。
それでは!
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