こんにちは、しにち(@yurukashi_yrks)です!

最近もKindleによって、変わらず読書を続けております。

2016年8月からAmazonが開始した『Kindle Unlimited』。  Amazonの電子書籍が読み放題というサービスでずっと気になってはいたんだけど、ついにこの間スタートしてみまし...

 

理想は月に5冊くらい読みたいのだけど、なかなか時間が取れず月に2冊くらいのペースに留まってしまってます。はい、完全に言い訳ですねw

さて、今読んでいるのは「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」という本。

ざっくり内容を言うと、現代が残酷である理由と、そこで起きていることや存在しているものについての分析や良し悪し、対処法について書かれた本です。

例えば、「社会で生き残るために自己啓発が勧められているが、それは本当に意味があるのか?」「宗教により人が操られてしまうのはなぜなのか?」「なぜ私たちは幸福ではないのか?」といった疑問について語られているのですよね。

タイトル的に、それこそ「スキルアップをしましょう!」みたいな啓発本かと思ったら全然違っていて、学問的でボリュームのある良書でした。

中でも、これからの時代でどう働いていくべきかについての内容がおもしろかったので、自分の感想も踏まえてご紹介しますよ。

 

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現代は合理化が進む残酷な世界である

さて、本書のタイトルにもなっている「残酷な世界」というワード。

現代がなぜ残酷かと言うと、私たちの生活の全てに合理化が進んでおり、非合理的なものは排除されていくからだと主張されています。

ひとびとは合理化された教育制度から合理化された職場へ、合理化された家庭から合理化されたレクレーション施設へと移動する。

最終的には旅行や自然体験など、日常の合理性から逃避するためのルートまで合理化され、ひとびとは合理性という「鉄の檻」に閉じ込められ、その中で生きるほかなくなるだろう。

引用:残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法 (幻冬舎文庫)

 

なぜ合理化が残酷なの?合理化されることはいいことじゃん!

と思うかもしれませんが、合理化が人にとって必ずしも良いとは言えないのですよね。

現代で最も合理化されている組織の1つとして、マクドナルドが例に挙げられます。マクドナルドでは、すべての作業が厳密にマニュアル化されており、誰がやっても同じことができるようにシステム化されています。そのため、世界中どこでも味は変わらないし、従業員の振る舞いもどんな場所でも変わらないわけです。

 

マニュアル化・システム化されたマクドナルドのような仕事を筆者はマックジョブと名付け、このように語っています。

【マックジョブ】
”サービス分野における、低賃金、低地位、低尊厳、未来なしの仕事。満足できる職業をもったことのない人によっては、しばしば満足すべき職業選択と考えられている。”

マックジョブは誰がやっても同じことができるようにシステム化されているから、世界中の労働者と代替可能だ。市場のグローバル化と労働のマクドナルド化は押し止めようのない巨大な潮流で、高度化した資本主義社会では、いずれは仕事の大半がマックジョブになるだろう。

マニュアルに従うだけの仕事に、個人の判断や創意工夫は必要ない。誰でもできる作業をたまたま自分がやったからといって、そこから自己実現や達成感を得ることはできない。

引用:残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法 (幻冬舎文庫)

 

つまり、合理化によって世の中の仕事の多くがマックジョブになってしまう。誰がやっても同じ仕事なので、世界中の労働者と代わりがきいてしまうし、マニュアル通りで工夫の余地がないので、達成感を味わうことができないよ!と言っているわけです。

合理化は便利で快適だけど、マックジョブばかりになったら働く人は大変です。代わりがいくらでもいるから、常にリストラの可能性があるし、やりがいも見いだせないわけだからな。確かに残酷な世界かもしれない…。

マックジョブとは異なるクリエイティブクラスの仕事

マックジョブと反対の意味で使われている言葉がクリエイティブクラスと呼ばれる仕事。

これは、マニュアル化できない高い能力が必要とされる仕事のことで、今後世界はマックジョブとクリエイティブクラスに二極化されていくと筆者は言います。

例えば医者や弁護士、経営コンサルタントやクリエイターなんかはクリエイティブクラスです。また、別に資格を持っていなくても、他の人がすぐには真似できない仕事を持っている人はクリエイティブクラスとして当てはまると思います。

 

マックジョブで世の中の仕事が汚染されていく中、クリエイティブクラスの仕事に就ければ、スキルがある分安心ですよね。きっとやりがいも見いだせるはず。本書でもクリエイティブクラスの仕事に就くことが薦められています。

ただし、クリエイティブクラスであっても、その能力が常に市場で高く評価されるわけではないという点は注意が必要です。

本書ではその例として、バイク便の仕事を例に挙げています。

バイク便の仕事は高度な運転技術が必要なクリエイティブクラスの仕事ですが、他の宅配手段があることや、文書の電子化が進んだことで報酬は少ない仕事になっています。

マックジョブは代わりがいくらでもいるし、達成感を感じられないため、生き方としてはおすすめされません。そして自分の得意を生かしてクリエイティブクラスの仕事についたとしても、その仕事が市場から価値が高いと認められなければ、良い賃金は得られないということなんですね。やっぱり残酷な世界だ…。

 

ちなみにどんなクリエイティブクラスの仕事ならお金が高いのか。

本書には、現代に求められている能力は、言語的知能、論理数学的知能の2つだと書かれています。

身体能力が高かったり芸術性が高いことも能力だけど、資本主義の世界では言語的知能・論理数学的知能の方が価値があるとみなされるようです。受験なんかでもこの2つが重要視されますもんね。

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クリエイティブクラスでも価値があるものは限られている。ではどうしたらいいのか?

クリエイティブクラスの中でも価値があるとされているのは言語的知能・論理数学的知能の2つです。

その2つの能力がある人にとっては、それらを生かしてクリエイティブクラスの仕事につくことが最適な方法だと思うけれど、勿論そんな人ばかりではないですよね。

じゃあ言語的知能・論理数学的知能がないとダメなんだろうか。

本書ではちゃんと、それ以外の人たちが生き抜く方法を記載してくれています。

グローバルな能力主義の世界では、マックジョブが嫌なら「好き」を仕事にするしかない。

とはいえ、好きなことで大金を稼げるのはビジネス能力に恵まれたごく一部のひとたちだけだ。これはものすごく不公平なことだけれど、しかたのないことでもある。

それでも能力があろうがなかろうが、誰でも好きなことで評判を獲得することはできる。だとしたら必要なのは、その評判を収入につなげるちょっとした工夫だ。

引用:残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法 (幻冬舎文庫)

 

 

このように、自分が好きなジャンルで周りからの評価を得て、それを個人で収益化させる生き方が大切だと筆者は述べています。

現代はマックジョブとクリエイティブクラスに二極化し、クリエイティブクラスでも言語的知能・論理数学的知能のある人しか成功ができないという「残酷な世界」です。

しかし一方で、情報社会として発展した時代とも言うことができ、そうであれば、好きなことで稼ぐということが昔よりもし易くなっていると筆者は説きます。

詳しくは本を読んでもらえればと思いますが、例えば音楽業界では大ヒットする曲を作らなければ、昔はビジネスになりませんでした。それは、大ヒットをしなければ出費したコストを回収できなかったからです。

でも、現代ではiTunesやGooglePlayがあることで、CDという媒体が必要なくなり、在庫コストを限りなく0にすることができます。

つまり、元手がほとんどかからない状態でビジネスができるようになったということ。そしてこれは、個人でもビジネスができる社会になったということを意味しますよね。このへんの話は、前に紹介した「1万円起業」に似たものを感じます。

ビジネスを複数持つのも良い

正直筆者の意見にはかなり賛成です。

上記のとおり、すべてのクリエイティブクラスの仕事が同じように市場から高く評価されるわけではないです。かといって、マックジョブはリスキーですよね。(というか人工知能が仕事を奪っていくことは間違いない)

そうであれば、やっぱり個人でビジネスをもって収益化の取り組みをすべきです。

まずは自分に合った(自分の好きな)ジャンルのビジネスをやってみることが大切。そしてここからは個人的な意見なのだけど、小さいビジネスを複数持つというのも有効なのではないかな。

個人でのビジネスは、どうしてもサラリーマンと比べて(最初は)収入は小さいはずなので、1つじゃ足りないなら2つ、3つと取り組みを増やしてみるのも良さそうです。

別にサラリーマンと違って仕事は1つと決められているわけじゃないし、好きなジャンルなら苦じゃないと思いますからね。まぁまずは1つ、やってみることからなのだけど。

はい、こんにちは。これからの時代、終身雇用はなくなり、年金制度も期待できない。だったら自分たちでなんとかせねば!というわけで、個人的に本業と併せて投資やセカ...

 

また、合わせて資産運用は必須です。仕事からの収入がそんなに期待できないなら、お金に働いてもらって収入を得ることが効果的でしょう。

本書では貨幣空間という言葉を使って投資家の生き方を語っているので、そのへんも興味あれば読んでみてね。

こんにちは!月に10万円以上を資産運用に回している、しにち(@yurukashi_yrks)です。将来のお金について不安を抱いているものの、具体的に何かしているかと言われると...

まとめ

 

・現代は合理化が進み、代替可能でやりがいのないマックジョブが大量に生まれる残酷な時代
・能力が重視されるクリエイティブクラスの仕事につくべきだが、その仕事の評価(賃金)は市場によって異なる
・そんな時代で生き残るために、情報社会のインフラを使って自分の好きなジャンルでビジネスを持つことが大切

 

 

 

食いっぱぐれのない仕事につくべき!とよく叫ばれるけど、その背景には合理化によるマックジョブの増加があるからなんですね。

繰り返しになるけど、合理化の波や人工知能の進化は止められません。そしてリストラが怖い、安心して働きたいと思う人ほど、何もしないことはもはやリスクです。自分もこのブログ運営をはじめ、もっと色々と個人でできることを増やしていこうと思えた1冊でしたよ。

冒頭でも伝えたとおり、仕事の話以外でも心理学のことや進化論なんかの話もあり、おもしろいですよ。よかったら読んでみてくださいな。

それでは!

 

 

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