以前、当ブログにて紹介をしたクリエイター漫画「左ききのエレン」。先日cakesでの連載が完結し、現在はリメイク版が少年ジャンプ+で連載されています。
そんな「左ききのエレン」の作者かっぴーさんが、なんと取材に応じてくれました!!
前編後編でお送りしている本インタビュー。後編はかっぴーさんのエレン以外の作品や、独立されたときのお話をお伺いしています。(前編はこちら。)
かっぴー(本名:伊藤大輔)1985年生まれ。武蔵野美術大学卒業後、広告代理店を経てWEB制作会社に転職。制作会社時代、ネットに投稿した漫画が話題を呼び、2016年2月、漫画と広告を手がける「株式会社なつやすみ」を立ち上げ独立。cakesにて連載したクリエイター漫画『左ききのエレン』がまたも人気作となり、今年10月から少年ジャンププラスにて絶賛連載中。その他、『SNSポリスのSNS入門』(ダイヤモンド社)、『おしゃ家ソムリエ おしゃ子!』(大和書房)など多くの漫画作品を描く。
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かっぴーさんが思う自身のキャリアと独立
ーー独立はもともと考えていたんですか?
最初は広告の仕事で独立しようと思ってたんです。でも今考えると広告で独立しなくて良かった。独立してたら絶対ダメだった(笑)
デザイナーは「最後に独立するのが夢」みたいな人って多いんです。ただ、それは40歳過ぎてからとかですけどね。大きな賞とかとらないと仕事来なかったりするから、そういうの踏まえると色々時間かかると思う。でも広告代理店でデザイナーとして成り上がるのは、人数が多いから本当難しい。世の職業と比べたらレアな職業って思うけど、それでも上位10人に入るのなんか鬼の世界ですよ。だからあそこで有名になるのは無理だなぁと思ってた。
ーー厳しい世界ですね…。漫画業界も同様に厳しい世界かと思いますが、そこで漫画家として独立しようと思われたきっかけはなんだったのでしょうか?
最初は制作会社時代に、自分の自己紹介の代わりに漫画書いてて、本当趣味として。それを社内でみんなすごい笑ってくれて、「ネットで公開しなよ」って言われたのが始まりです。まずはnoteに公開したら、幸いにもドカンとシェアされて、それでせっかくだから色々描こうと思って今に至ります。でも当初はこんなうまくいくとは思ってなかったなぁ。
引用:漫画「フェイスブックポリス」
ーーやはり何事も発信すべきなんですね。私もブログを1年ほど運営していますが、今回のように憧れのかっぴーさんへのインタビューにつながって。やってみるもんだなと思います。
憧れなんて恐縮です(笑) でも、完成してないものを出して良い時代になりましたよね。これまでは完成したものしか世に出せなかったし、出し方がなかったから、僕らが見るコンテンツって全部完成されてた。でも今は完成されてないコンテンツが世に出てきたので、見てる側も一緒に成長していける感覚がある。すごい面白いですよね。
ーー独立前と今で変わったこと、そして良かったことなどはありますか?
あんまり変わってないですね。なんか感覚としては2年間会社休んでる気分です。辞めたって感じよりも、ずっと休んでる感じ。会社名も「なつやすみ」だからね。
独立して良かったかについては、100%良かったですね。独立してからはいつも楽しいです。今のところすごくうまくいってると思う。良くなかったことないんじゃないかなぁ。合コンがなくなったくらいかも(笑)
ーーちょっと現実的な質問ですが、独立して株式会社なつやすみを立ち上げたとき、お金の心配はなかったですか?
お金の心配はほとんどしてなかったです。というのも、自分がパトロンみたいな感じで広告漫画で稼ぎながら連載しようと思ってたから。連載は当初ほとんど赤字だったけど、でも広告漫画やってるから大丈夫!と思ってました。ただ、最近は広告漫画をほとんどやってなくて、今って広告漫画バブルだから、遅かれ早かれあと2年くらいしたら広告漫画じゃきつくなってくると思う。幸いなことに、これまでの広告漫画で資金的な体力は作れたから、これからは連載に力を入れようと思ってます。
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エレンだけじゃない。それぞれの作品の魅力
ーーエレンはもちろん、かっぴーさんの他の漫画も愛読しています。個人的には「おしゃ家ソムリエおしゃ子」が一番好きなんですが、おしゃ子に出てくるような人って、かっぴーさんの周りに実際いるんですか?
いますいます。昔、「漫画に描かれているあの家行ったことあります!」って言われて、一瞬どきっとしたことがある(笑) 結局は違ったんだけど、「あの家にDJブースあった!」なんて言われるくらい、結構あるあるなんですよね。おしゃ子はいまNHKさんで描かせてもらってます。
引用:おしゃ家ソムリエおしゃ子 第1話「ベンチャー社長の部屋」
ーー現在noteで短編小説「アイとアイザワ」を書かれていますが、めちゃめちゃおもしろいですね!!
そう言ってもらえると、よかった。ありがとうございます。「アイとアイザワ」はエレンを休んでたときにリハビリで書いた小説だったんです。そのときたまたま人口知能の記事とか見ていたのもあって。
noteにて連載中の小説「アイとアイザワ」
ーーストーリー構成がとても面白いと感じていますが、何か影響を受けた小説などあるんですか?
本当にこれ、自分でもダメだなぁと思うんだけど、実は漫画も小説も全然詳しくないんですよ。小説なんてほとんど読んでないんじゃないかな。たぶんね、本当に人生で10冊くらいですよ。ハリーポッターとか(笑) あとはなんか気になった、江國香織さんの「落下する夕方」とかですかね。だからほとんど読んでないんです。でも文章書くのは好きなんですよ。珍しいですよね。
ーーそうなんですか!それであの内容が書けるなんてすごい。人口知能という少し難しいテーマですが、調べながら書いているんですか?
いや、調べながらはないですね。もともと「こういう話を作ろう!」と思ってからじゃないと書けないので。人工知能の話だから専門的ではあるんだけど、例えばスマホの電池がなくなってAIのアイザワが小さくかわいくなっちゃうって場面なんかは、専門家からは出てこないアイデアだと思うので、書いてておもしろいなと感じます。
ーー「アイとアイザワ」の連載、これからも楽しみです。今回は色々とお伺いさせていただきありがとうございました。最後に、読者の方に一言お願いできますか。
これからもぜひ作品を読んでいただければと思います。引き続き、よろしくお願いします!
以上、かっぴーさんのインタビューでした!
2時間半というロングインタビューにお付き合いいただき、かっぴーさんには本当に感謝ですよ。取材を終えた感想としては、会いたかった人に会えて、もう感無量ですね。
まだかっぴーさんの作品を読んだことのない人は。この記事をきっかけに是非チェックしてみてくださいね。
ではでは!
※かっぴーさん原作「左ききのエレン」は毎週土曜日ジャンプ+にて、短編小説「アイとアイザワ」はnoteにて連載中です。
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