どうも、しにち(@yurukashi_yrks)です!
今年に入って日本株の調子がめちゃめちゃ良いですね!
近年の最高値をどんどん更新していて心強い限りです。
新NISA開始によるプチバブルか!?とも感じるのですが、インフレが起きていることを背景に、どうやら中期的にも日経平均は伸びると予測されているようです。
そのことから、自分も日本株にあらためて興味が湧いてきており、ちょいちょい個別株を買いたいなーなんて思っています。
(まぁこの感覚がもはやバブル&下落フラグとも言えそうなのでw、あくまで主軸はオルカンや米国ETFで変わりません)
さて、そんな心境の中で最近読んだ本『日経平均は10万円を超える!』について、今回はレビューを書きたいと思います。
さすがに「日経平均が10万円」は言い過ぎじゃない!?と思いつつ、読んでみるとかなり希望に満ちた話も書いてあり、なかなか面白かったですよ!
それでは、今回もまたつらつらと書いてまいります。
スポンサードリンク
関連記事
Contents
日経平均が上がっている本質的な理由
今、日経平均株価はとても調子が良いですが、この伸びは一過性ではなく今後も恒常的に伸びていくだろうと本書では主張しています。
その根拠は「新・3本の矢」をきっかけに、日本の企業が本質的に変わり始めたから。
体質が本質的に変わった日本企業であれば、株価を意識した企業活動が行われ、結果として日経平均全体が右肩上がりになっていくはず、ということのようです。
「今の日本株市場の動きの背景に日本企業の本質的な変化があると考えています。海外投資家による日本株への注目は一時的なものでなく、長期的に見れば今後の日本株市場は右肩上がりに上昇すると見ているのです。
(中略)
日本企業の本質的な変化のきっかけは、2014年にさかのぼります。(中略)当時の私は「伊藤レポート」「スチュワードシップ・コード」「コーポレートガバナンス・コード」を「新・3本の矢」と名付け、これら「新・3本の矢」が上場企業と株式市場に本格的な改革を起こし始めていると考えていました。
「新・3本の矢」って?
では、日本が変わり始めた「新・3本の矢」の内容について見ていきたいと思います。
「新・3本の矢」とは、
・スチュワードシップ・コード(金融庁の企業向けガイダンス)
・コーポレートガバナンス・コード(東証が上場企業に出したガイドライン)
①伊藤レポート
まず経済産業省の報告書である伊藤レポートにて、「ROEの目標水準は8%である!」と明確に示されました。
ROEというのは自己資本利益率であり、「その会社が株主から預かった資本からどれだけ効率よく稼いでいるか?」を測る指標です。
世界の投資家の間では「資本コストは平均して7%程度だ」という目安があるらしく、ROEが8%以上であれば多くの投資家が納得できる、とされているようです。
また8%以上にすべしというのにはもう1つ根拠があります。
それは「ROE8%を超えると株価が上がりやすい」という分析結果があるからなのだとか。
出典:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO04055180U6A620C1DTA000/
ちょっとややこしいグラフの引用で申し訳ないのですが、横軸にROE、縦軸をPBRにしてマッピングすると、ROEが8%を超えるあたりからPBRと正の相関が現れます。
PBRは「株価÷1株あたり純資産」なので、ROEが8%を上回る経営をすればPBRが上がる、つまり理論上株価が上がるということなのです!(解説してますけど、自分も本書で初めて知りましたw)
このことを発表したのが伊藤レポートなので、きっかけとなって各企業が「株価アップのためにROE8%を目指さねば!」と思ったわけですね。
※PBRとは?
ちなみにPBRとは株価純資産倍率であり、1株あたりの純資産に対して株価はいくらか?を測る指標です。
よく「PBRが1倍以下だと割安!」と言いますが、PBRが1倍というのは1株あたりの会社の純資産と株価がイコールの状態。
なので、それより安いなら「会社の持ってる資産を理論価格よりも安く買えるじゃん!」ということになるのですね。
日本ではこのPBRが低い会社が海外に比べて多すぎるのが問題視されていて、東証がPBR1倍割れの企業に改善策を要請している状況です。
これを受けて各社は株価アップに奮闘しているので、投資家にとってはとても嬉しい動きですよね!
②スチュワードシップ・コード
次にスチュワードシップ・コードでは、金融庁が機関投資家に対して、投資先企業の経営モニタリングや議決権行使を行うように示しました。
機関投資家はその資金の多さゆえ、市場に大きな影響を及ぼします。
そのため、金融庁は機関投資家を企業経営に積極的に関与させ、日本企業を成長させる狙いがあったのだと思われます。
確かに資金力のある機関投資家の目が鋭くなったら、日本企業も緊張するというか、財務面の対応をしっかり行いますもんね。
そっぽ向かれて株価下げられたら当然困るでしょうし。。
③コーポレートガバナンス・コード
最後は東証が示したコーポレートガバナンス・コードです。
コーポレートガバナンス・コードとは、上場企業が行うコーポレートガバナンス(企業統治)のガイドラインです。
そもそもコーポレートガバナンスというのは、企業経営において公正な判断ができているかどうかを監視する仕組みのことで、近年重視されています。(うちの会社でも最近よく話題になります)
ここでは詳細を省きますが、まぁ簡単に言ってしまうとコーポレートガバナンスがしっかりしていれば国内外の投資家から「優良企業」とみなされて、株価上昇に繋がるのですよね。
東証はそのビジネス構造上、日本の株価を上げたい。だからこそコーポレートガバナンスコードを策定し、上場企業に守らせることで、日本全体の株価を上げようとしたわけですね。
日経平均10万円の世界
ここまで見てきた通り、新・3本の矢によって日本企業はテコ入れされ、利益重視・株主重視の経営方針へと変わってきています。
つまり日本企業が本質的に変わってきたというのはどうやら本当のようです。(これまでなんとなく「日本企業頑張ってるんだなぁ」くらいしか思ってなかった・・)
では、もしこのまま日本企業が成長し続けて、本当に日経平均が10万円になったら、その世界はどんなものなのか?
本書ではそのあたりも記載されていました。
アメリカと同じようなインフレが起きる
10年後、私たちは、吉野家の並盛の牛丼を1杯470円程度で食べられるのでしょうか?
私は、同じ品質のものを10年後に食べるためには最低でも1杯1000円は支払う必要があり、場合によっては1500円程度になっている可能性もあるだろうと思っています。
日経平均が10万円の世界では、インフレで吉牛が1500円になってしまう!というなんとも恐ろしいお話です。。
でもまぁ考えてみれば当然の話ではあって、日経平均が上がっていく場合、その分企業は成長し景気も良くなっているはずです。
景気が良ければモノやサービスの値段も当然上がっていくので、日経平均が今の2.5倍以上の10万円になれば、同じレベルでモノの値段も上がってしまうんですよね。
現にアメリカでは吉牛が1500円、ラーメンは3000円とかするみたいなので、要はそれと同じ世界になるってことです。
そこまでして食べたいかな…なんて思ってしまいますが、理論的にはこちら側の賃金も上がっているはずだから、金銭感覚も変わるんですかね?
うーん、、想像がつかない。。
インフレによって格差が拡大する
インフレでは、株式や不動産などの資産が値上がりしやすいので、これらの資産を持っている人にとってはインフレが有利に働きます。逆に厳しいのは現金で、ただ置いておけば価値がどんどん目減りします。
つまりデフレからインフレに転換するということは、「株式や不動産を持っている富裕層に恩恵がある」ということです。
(中略)
株や不動産を持っていない人、「資産はあるけれど現預金だけ」という人は、インフレのもと、現預金の価値の目減りで大きなダメージを受けるはずです。
日経平均10万円の世界では、資産を持つものと持たないもので大きな格差が生まれます。
これは今も言われていることではありますが、そのインパクトがさらにデカくなるってことですね。
さっきの牛丼の話を例にすると、約500円の牛丼が3倍の1500円になるわけですから、現金だけ持っている人はその価値が3分の1になってしまうわけです。
キャッシュイズキングとはいうものの、長期的に見ると現金を何かしらの金融資産に変換すべきなのは間違いないですね。
現金オンリーだと10数年後にやばいことになりそうです。。
Sponsored Link
まとめ
他にもたくさん書きたかったのですが、長くなり過ぎてしまうのでこのへんで。
本書ではこの他にも「次の日本を代表する会社」「今後爆上がりが期待できそうな会社」など、具体的な話がたくさん紹介されています。
自分としても、日本株の将来性についてきちんとした根拠を知ることができたのは大きかったです。
これまで米国株への投資にばかり目が行っていましたが、ポートフォリオの一部に日本株を入れたいなと感じましたね。
なぜ日本株がこんなに上がっているのか知りたい方、最近日本株に興味が湧いていきた方などは、ぜひ読んでみるといいのではと思います。
それではまた!
スポンサードリンク
関連記事