どうも、しにち(@yurukashi_yrks)です!
書籍紹介シリーズ、今回は「人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている」のご紹介です。
最近よく本屋で見かけていて、ベストセラーにもなったと聞いて、気になっておりました。
タイトルや表紙でかなり煽っている感じなので笑、実際どうなんだろうと読んでみたら、学門的な話も多く、良い意味で期待を裏切られた良書でした!
本書では、人が自分に対し、都合よく思考を錯覚してくれることを「錯覚資産」と名付けており、そんな錯覚資産のメリットや錯覚資産の作り方、人々の思考の錯覚について書かれた一冊となっています。
そんなわけでここで早速、内容の一部についてご紹介いたしますね。
世の中は思考の錯覚で溢れているよ…!
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人は無意識に錯覚して判断を行っている
私たちの思考は無意識のうちに錯覚を起こし、判断が行われているという事実をご存知でしょうか。
本書ではカナダでの選挙戦の事例が紹介されており、それによるとイケメンの政治家はそうでない政治家の2.5倍もの票数を獲得したそうです。
そしてここでおもしろいのは、イケメンを選んだ人の多くが「イケメンだから選んだわけではなく、違う理由で投票したのだ」と主張していた点です。
いや、ここで重要なのは「イケメンに投票した理由」なんだ。調査の対象になった得票者の73%は、「私が彼に投票したのは彼がイケメンだからではない」と思っていたのだ。
結果としてイケメンの票数が上がっているわけですから、イケメンであることが投票に影響を与えたことはまず間違いありません。
この現象は、「容姿がいい」という特徴によって、無意識に他の部分の印象も底上げされ、「全体的に優れている」ように見えた結果なのだと、本書では書かれています。
自覚することなく、判断を歪めてしまう。これが、人間の持つ無意識の錯覚というやつなのです。おもしろいですよね!
「錯覚資産」を持つべき
筆者は、自分にとって都合が良い周囲からの思考の錯覚を「錯覚資産」と定義しており、錯覚資産を多く持つ人こそ、よりよい環境を手に入れて、人生をうまく生きられると説明しています。
本書では数々の錯覚資産について紹介されているのだけど、その1つにハロー効果をもたらす錯覚資産について書かれています。
ハロー(halo)とは「後光」の意味であり、ハロー効果とは、何か1つが優れていると他の部分も優れて見えてしまうような錯覚効果のことを言います。
例えば、容姿だったり、わかりやすい実績や肩書、周りからの良い評判なんかがあると、ハロー効果によって「この人、きっと色々すごい人なんだ」という印象が生まれます。
仮に実力がなくても全体的に優秀だとみなされるため、良い環境を得たり、さらなるチャンスが巡ってきたりするというわけです。
実際、成功者と言われる人の成功要因も、実はかなりの部分が錯覚資産のおかげだったりするようです。(本書には詳しく書かれているのですが、本人たちは決して「錯覚資産のおかげだ」とは言わないのだよね…!)
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錯覚資産を持つ人は実力だけの人よりも有利
錯覚資産にメリットがあるとはいえ、錯覚は錯覚です。
人の思考の錯覚によるメリットを狙うより、結局は実力があったほうがいいのではないか?
つまり、錯覚資産なんて身につけるより、スキルアップをしたほうがいいのでは?と感じたりもしますよね。(私も読みながらそう思っていました。)
しかしながら、そんな反論にも本書は答えてくれています。むしろ錯覚資産を持つ人は、実力だけを持つ人よりもはるかに有利だと言うのです。
その理由は、錯覚資産によって、その人にはチャンスと成長の好循環が生まれるためです。
会社は、実力タイプよりも、錯覚力タイプのほうが有能だと認識するので、錯覚力タイプは、実力タイプよりも、よりよいポジションや成長のチャンスを手に入れられる。
(中略)つまり、「錯覚資産によってよい環境が手に入り、よい環境によって実力が育ち、実力があるからそれが成果を生み、その成果を利用してさらに錯覚資産を手に入れる」というループが回ることで、錯覚資産と実力が雪だるま式に増えていくという構造があるのだ。
人同士が集まる社会において、実力タイプよりも錯覚力タイプのほうが、まずは最初のチャンスを得やすいのですね。
チャンスを得ればそれによって実力がつき、成果に繋がる、そして新たな錯覚資産が手に入って…というサイクルが回っていきます。
結果的に実力タイプを追い越すスキルを得ることになるわけですから、確かに錯覚資産を持つ人のほうが有利という理屈には頷けます。錯覚資産、おそるべし…!
まとめ
以上、簡単にではありますが「人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている」の一部ご紹介でした。
文章の書き方も非常に興味を惹かれて、すぐに読んでしまいましたよ。
そして「この本も錯覚資産を活用して書いている」と自ら主張しているのも、印象的でした。
この本は、筆者の錯覚資産を活用して書いている。
(中略)「起業した会社が上場までいくなんて、よっぽど優秀な奴に違いない。そんな人間の言うことなら、きっと本当のことなんだろう」って、無意識のうちに思ったはずだ。
あなたにその自覚はなくても、実際、そうなっているのだ。
おっしゃるとおり、私も無意識に「この本はすごい」と思っていますからね。自覚できない思考の錯覚、これを使いこなせたらすごそうです…!
本書では他にも、錯覚資産を雪だるま式に増やしていく方法や、人間の様々な思考の錯覚について、詳しく書かれています。
ここでお伝えしたハロー効果以外にもたくさんの思考の錯覚があり(認知的不協和、感情ヒューリスティックなどなど)、それを利用した錯覚資産の作り方が書かれていて、おもしろいですよ。
心理学などに興味がある人にとっても良い本だなと感じましたので、興味があればぜひ読んでみてください。
錯覚資産をうまく利用して、賢く生きていきたいですね!
★ちなみに、心理学についてはこのブログでもこちらでまとめていますので、よろしければどうぞ!
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