自分達の将来ってどうなるんだろう?
たまにふと、そんな漠然とした思いがよぎったりします。
特に日本は少子化しているし、世界の中で最も高齢化が進む国。そんな社会で自分たちは変わらず生活していけるのかな?なんて思ってしまうのですよね。
周りと話しても「日本は少子高齢化だもんね〜。どうなるんだろう。やばいよね。」なんて会話にはなりますが、具体的にどうなりそうかなんて考える人はなかなかいません。医療も進歩してるしなんとかなりそう、くらいに思うのがやっぱり普通だよね。
しかし近年の「SHARPが買収された!」「東芝が存続の危機!」みたいに、ある日突然のニュースが流れて、社会全体が変わる…なんてことがきっとこれからもあると思っています。
そしてそれらのうちいくつかは事前に予期はできたけどきちんと考えてはいなかった事象だったりするわけで。
なので自分のスタンスとしては、見える未来についてはきちんと把握し、それに対して今のうちから行動をしていきたいと思っています。
以前紹介したライターのヨッピー氏も「風が吹けば桶屋が儲かる的にわかる未来を想像すべき」と話していたし、私自身もそういった未来志向で考えていきたいなと。
というわけで、少子高齢化が進む日本がこのままいくとどんな社会になるのかを調べてみました。
何回かに分けて紹介していきますが、まずは来年の2019年がどんな姿になりそうか、まとめていきますね。
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Contents
日本の人口減少問題
画像元:https://ja.wikipedia.org/wiki/人口ピラミッド
さて、まずはそもそも日本の置かれている状況の整理ですが、前述したとおり、日本は世界でも類を見ない少子高齢化国です。
大きな課題としては少子化と高齢化の2つですが、今回は少子化による人口減少問題について触れたいと思います。
国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集(2017)」によると、2017年は1億2653万人である人口が、2065年は8808万人、100年後には5060万人にまで減少すると記載されています。
なぜこんなにも人口が減少するかと言うと、出生率(ひとりの女性が生涯に産む子供の数)と出生数がどんどん減っているからです。単純にいうと、社会全体で子供が産まれなくなってきているためですね。
画像元:http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/data/shusshou.html
この出生率ですが、戦後の1947年には4.54という高水準でした。1人で4人以上産んでたってすごいですよね。確かに自分の祖父母世代は兄弟親戚がたくさんいました。
しかしながら2015年になると出生率は1.45にまで下がっています。(出生数は100万人弱)父親と母親という2人の人間から1人しか産まれないのだから、人口が減っていって当然の計算ですよね。
ちなみに現在の人口を維持しようとすると、出生率を2.07まで上げなければならず、さらに人口増加を狙うのなら出生率を3以上に引き上げる必要があります。
現在安倍政権が国民希望出生率を1.8と定義し、その水準まで回復させることを目標にしていますが、仮にそれが叶ったとしても出生率を2以上にしない限り、人口は維持できないのだよね。(安倍政権が掲げているのは、「せめてゆるやかに人口減少しましょう」っていう政策なわけですね。。)
さて、これらの少子化は様々な問題を引き起こすわけですが、1番の問題は社会の担い手が不足していくことです。
日本の生産力が下がれば、企業も欧米に比べて成長することはできなくなるし(だからこそ投資先は海外にしている私)、今当たり前にあるインフラが当たり前に提供されなくなってくる可能性が出てきます。
2019年は人不足の影響が各地で出始める
さて、そんな少子化・人口減少問題に直面している日本ですが、2019年には人不足が徐々に表面化してくると言われています。
私は都市圏に住んでいるのであまり感じないのですが、予測によると人口が減少しているところでは、県民人口が50万人前後になる県も出始めてきます。
実際に2017年段階で東京都の人口が約1,374万人に対して、高知県は約71万人、島根県は約68万人、鳥取県は約56万人です。これらの県では若者が都会へ流れたり高齢者の他界によって年々さらに人口が減少しています。
画像元:2017年都道府県人口調査
一定水準まで人口が減少すると、道路や上下水道、市民ホールなどの社会インフラが急速に老朽化していきます。街にある自治体運営の施設がどんどん古く廃れはじめ、街の風景がどんよりし始めてくるわけです。。
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水道代やガス料金の値上げが検討されうる
しかも利用者が減っているので、インフラ事業の収支が悪化するという負のスパイラルが起きてしまいます。
データとして、全国の水道業者の有利子負債は2014年度末でなんと7兆9000億円もあります。地域によっては借金をしないと既に経営が回せていない状況ということですね…。
ちなみに経常利益を確保しようと思えば、2021年度から毎年1.7〜2.1%の料金値上げをしないといけない計算で、さらに先の2046年には2014年度比で63.4%も値上げになるという試算もあります。1.6倍って…家計へのダメージ大きすぎです。
同じ理屈でインフラであるガス料金についても値上げがあるかもしれません。
住民ニーズとのミスマッチによる施設利用料値上げの可能性も
そして人口減少に加えて高齢者比率も高くなり、年齢構成に変化が出てきます。するとインフラ施設に対する住民ニーズも変わることが予想されます。
地方では若者がいなくなるので市民会館や体育館などの利用者が減っていきます。時代の変化により需要と供給のミスマッチが起こり、運営費の確保が難しくなることから、インフラ施設利用料の大幅な料金引き上げも検討されるかもしれません。
市営体育館を利用するのに、今の2倍料金がかかる!なんて事態も起きかねませんよ。。
技術者不足が浮き彫りになってくる
前述した水道事業についてですが、既に事業規模の小さい水道業者を中心に職員不足が問題になっています。技術系職員のうち39%を50歳以上が占めていて、20代はわずか11%に過ぎないのが現状のようです。
そしてこれからの社会に不可欠であろうIT人材も今後さらに不足すると見られています。経産省の「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」ではIT人材は2019年の約92万3000人をピークとして、翌年からどんどん減少していきます。
2015年でさえ約17万人不足しているのに、2020年には約29.3万人、2025年には約43万人、2030年には約59万人にまで不足規模は拡大する予測です。
最近ではIoTやAIによる技術が話題ですが、こと日本企業においては開発スケジュールが停滞する可能性が濃厚です。ITではアメリカやインドの海外企業が強いけれど、このIT人材不足によってさらに差が開いてしまうでしょうね。。
まとめ
2019年の日本は、地方での人口減少、インフラの老朽化や値上げ検討、技術者の人材不足が表面化してきます。
しかし一方で「来年は東京オリンピック!」というニュースがわんさか流れ、裏で動いている深刻な問題はあまり取り上げられないかもしれません。
確かにオリンピックまでは観光客も増え、関連事業が回り好況となりそうですが、地方の人口減少や技術者不足は確実に進んでいます。
オリンピック後にいきなり、「え、そんなに日本やばかったの!?」とならないためにも、今のうちから「今の生活が続くことは当たり前じゃないかもしれない」と考え、生活の改善や資産運用先の検討などをしておくと良いと思っています。
とはいえ未来については良い話もたくさんあるわけなので、悲観的になるのではなく、かしこく対策していきたいところですね!
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