どうも、しにち(@yurukashi_yrks)です!

先日の記事に引き続き、アセットアロケーションのお話です。

バランスファンドの中にはREIT(不動産投資信託)が組み込まれているものが結構あります。私が保有しているeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)も25%はREITが含まれてますからね。

資産配分の考え方として、株式と債券のバランスでリスク調整をするのが一般的だけれど、REITの位置付けってどうなのだろう?と気になったので、これを機にまとめてみましたよ!

 

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そもそもREITとは?

REIT(リート)というのは不動産投資信託のことで、投資家から集めた資金を元にオフィスビルや商業施設、マンションなどに投資して、その賃料や売買益を投資家に分配するという投資信託です。不動産投資法人が発行していて、投資家はその投資証券を買うことで間接的に不動産投資が可能です。

(不動産投資法人は株式会社のようなものなので、REITは不動産投資をしている会社の株を買うようなイメージとなります。うまくできた仕組みですよね!)

画像元:一般社団法人 投資信託協会

 

個人が1人で不動産投資をするには元手が必要だけど、REITなら手軽に少額から投資ができるということで、一定の人気を集めています。

REITの買い方としては、株のように不動産投資法人のREITを1株ずつ直接市場で購入する方法と、ファンド形式のもの(REITファンドやREIT ETF)を購入する方法があります。(「投資信託」のカテゴリーで出てくるREITはファンド形式のものです)

個別REIT(SBI証券より引用)

 

REITファンド(SBI証券より引用)

REITのポイントって?

さて、概要がわかったところで、投資先としてREITを見るときのポイントをまとめてみました。

メリット:収益のほとんどが分配される

REITのメリットとして、一般的には株や社債よりも利回りが高いと言われています。

理由は2つで、

・1つ目は不動産による賃料は安定収入であるため

・2つ目は日本のREIT(J-REIT)は税制が優遇されていて法人税が少ないので、その分投資家への分配金が多くなるためです。

2つ目について補足すると、例えば株式からの配当では、企業の利益から法人税が引かれてからの支給となりますが、不動産投資法人(J-REIT)の場合は利益の90%超を分配金に回すという条件を満たせば、実質的に無税になるという優遇があるのです!(配当金分を損金に算出できる。)

簡単にいうと利益をたくさん分配金に回せば、その分を経費にできて法人税払わなくていいよ!という制度で、我々投資家にとってもありがたいですよね。

 

デメリット:コストが割高+不動産リスクがある

一方でREITのデメリットを挙げるとすると、下記3つは気になるところです。

コストが割高

不動産投資法人は文字通り不動産投資を行うのですが、全てを自分たちで行うわけではありません。資産運用会社や管理会社に業務委託をしたり、資産保管会社や会計監査法人なども使っているので、その分コストがかかっているということになります。

さらにREITファンドを購入した場合、委託業者へのコストはREITファンドにも、REIT自体にもかかるので、二重にコストがかかってきます。(要はファンドオブファンズですね。)

目に見えないから見逃しがちだけど、こういったコストは当然利回りを押し下げるので、比較的高いと言われるREITの利回りがこれらのコストを凌駕できるのかは、ウォッチしていく必要がありそうです。

現物資産というリスク

不動産という性質上当たり前なのだけど、現物資産である以上は物理的な災害の影響を大きく受けてしまいます。

特に大型マンションや商業施設の多くは都会に密集しているので、地震などのリスクは株や債券よりも大きいと言えそうです。

金利変動のリスク

また、これもREITの特徴なのですが、金利が上がると不動産の調達コストが上がり、収益に影響が出てしまう恐れがあります。(私たち個人も、住宅ローンの金利は低い方がいいですよね。)

今は金利が低めなので、この点は問題なさそうですが、今後金利が上がった場合は利回りが悪くなるかもしれないと覚えておきたいところです。

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アセットアロケーションに入れるべきか?

さてさて、ここまで長くなりましたが、上記を踏まえてREITをアセットアロケーションに入れるべきかを考えてみます。

調べていくと投資家の意見もかなりまちまちで、肯定派と否定派の両方がいるようです。

肯定派の意見としては、安定収入による高利回りが期待でき、不動産という資産自体は今後も価値が変わらないだろうというもので、

・逆に否定派の意見では、REITはコストが割高であり、そもそも株式に不動産銘柄も含まれているため分散効果も低いのでは?というものです。

 

…確かに判断に迷うところですよね。特に否定派の「株式で不動産銘柄が含まれてるじゃん!」という意見は、確かにと思ってしまいました。

このように賛否両論あるのだけど、いまの個人的な意見としては、分散投資の目的ならアセットアロケーションに入れても良いと考えています。

私はeMAXIS Slimバランス(8資産均等型)を通じて東証REIT指数とS&P先進国REIT指数に対して投資しているのだけど、ちょっとこの2つの値動きを、TOPIX、S&P500と並べて比べてみます。

 

まずは東証REIT指数とTOPIXからです。

東証REIT指数(画像元:日本取引所グループ)

 

TOPIX(東証株価指数)
(画像元:日本取引所グループ)

 

次に、S&P先進国REIT指数とS&P500を比べます。

 

S&P先進国REIT指数

(画像元:三井住友・DC外国リート インデックスファンド 交付目論見書)

 

S&P500

(画像元:Googleファイナンス)

 

どうでしょう。なんとなくの値動きは似たものを感じますが、REITの方が幅が大きかったり、時期によっては別に動いたりしていて、必ずしも一致していないことがわかります。

「不動産投資したいなら不動産銘柄でカバーすればいい」というREIT否定派の意見があったけど、株式の不動産業セクターは必ずしも賃貸収入・売買益がある会社ばかりではないから、上記チャートのように株式とは違いが生じるため、REITの分散効果は健在だと思うのだよね。

利回りについては、J-REITは安定していないけどそれは日本株市場と同様だし、S&P先進国REITは値動きは荒いとはいえ長期的に見れば右肩上がりに推移しています。世界経済や米国経済ほどの信頼感はないとはいえ、ある程度利回りが期待できる資産なのではと感じています。

 

結局、REITをアセットアロケーションにいれるかどうかって、不動産という資産にどれだけの価値をおくか?という問題になるのだよね。

上で見てきたように一定の分散効果はありそうだし、これから良い利回りが実現する可能性もある。個人的には価値があるとみなして、全体の1割程度であれば保有してもいいかなと思っています。

今回まとめてみて、REITもまた奥が深い資産であると実感しました。ひとまずは引き続き、ファンド経由でREITに投資していく予定です。

 

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