どうも、しにち(@yurukashi_yrks)です!
引き続き毎月の投信積立(S&P500と世界株インデックス)と気まぐれに個別株を購入している私ですが、個別株を買うときって特に数値分析はしていないのですよね。
今は連続増配している有名企業やTwitterの投資家さんのおすすめを見て、自分なりに事業成長しそうって思った銘柄を値下がりしたタイミング(200日平均線を下回ったときとか、配当利回りが3.5%以上とか)で買っている感じです。
メインの運用はインデックス投信なのでそれでもいいかも…とは思うのですが、やっぱり投資を続ける以上、そして楽しむ上で、数字でも判断できるようになりたいのですよね!
そんな中、先日読んだたぱぞうさんの本「お金が増える 米国株超楽ちん投資術」に個別銘柄を選ぶポイントがまとめられていたので、それを参考にさせてもらい、自分が保有する銘柄の指標をチェックしてみました!
対象にした銘柄は先日決算発表のあったスリーエム(MMM)です。はじめてちゃんと本国の財務レポートを読んだのですが、結構おもしろいですね。
私と同じように「米国株の個別銘柄をチェックしたい!でもどこから読めばいいかわからない!」といった方は、よろしければ参考にしてみてくださいね。
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Contents
まずは本国ホームページで決算情報を見てみる
というわけで、まずはスリーエムの本国の決算情報を見に行きます。
決算書を全て読み込むのは大変ですが、普通はサマリーがスライドでまとめられているので、それを見れば十分だと思います。(日本企業のIR情報も、主要指標はスライドでまとめられてますよね。)
今回は2019年度の3Q資料をもとにチェックしていきますね。
画像元:https://s2.q4cdn.com/974527301/files/doc_financials/2019/q3/Q3-2019-Earnings-Presentation.pdf
チェックする指標
それでは早速、決算資料をもとに各指標をチェックしていきたいと思います。
今回チェックする指標は①売上高、②売上利益率、③営業利益率、④EPS(一株当たり利益)、⑤フリーキャッシュフロー、⑥増配かどうか、⑦自己資本利益率の7つです。このあたりが堅調に伸びていれば、ひとまず事業的には安心できると思います。
では、1つずつ見ていきますね。
①売上高
まずは売上高ですが、こちらは英語では「net sales」と表記されています。
売上高がしっかり伸びているか?(成長しているか?)が大事なわけですが、今回スリーエムの3Q決算では、このnet salesが前年同期比2%減となっています。早速不安要素発見ですw
画像元:https://s2.q4cdn.com/974527301/files/doc_financials/2019/q3/Q3-2019-Earnings-Presentation.pdf
②売上利益率
次に売上利益率です。売上利益率とは、売上高から原価を引いた総利益が売上高に占める割合のことで、英語では「gross profit」と表記されます。
高いほど良いですが、米国株では40%以上あると御の字のようです。 今回gross profitは47.6%なので、投資先としてはOKな水準ですね!(まぁ前年同期比で1.4%減っているけど。。)
画像元:https://s2.q4cdn.com/974527301/files/doc_financials/2019/q3/Q3-2019-Earnings-Presentation.pdf
③営業利益率
営業利益率とは、売上高から原価と販売費を差し引いた営業利益が、売上高に占める割合です。英語表記で営業利益は「operating income」となります。
この営業利益率については20%以上あれば良いと言われています。さきほどの図に記載がありましたが、今回のスリーエムの営業利益率は25.2%ですので水準としてはOKですね。前年同期比からも0.5%増えてますし!
画像元:https://s2.q4cdn.com/974527301/files/doc_financials/2019/q3/Q3-2019-Earnings-Presentation.pdf
④EPS(一株利益)
EPSは「Earnings Per Share」のことで、一株当たり利益を意味します。このEPSが増加していれば、株主への利益還元が増えていることになります。
スリーエムの場合はこの3Qでは$2.72で、前年同期比5.4%増えているので問題なしですね!
画像元:https://s2.q4cdn.com/974527301/files/doc_financials/2019/q3/Q3-2019-Earnings-Presentation.pdf
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⑤フリーキャッシュフロー
フリーキャッシュフロー(Free cash flow)は会社が自由に使えるキャッシュのことで、営業キャッシュフロー(稼いだ現金)と投資キャッシュフロー(設備投資などに使うお金)を合わせた額です。
当然のことながらフリーキャッシュフローは多ければ多いほど財務状態が良く、基本的にプラスであることが望ましいことになります。(キャッシュがマイナスなど、黒字倒産もありえるので。)
スリーエムの決算では、営業キャッシュフロー(Operating cash flow)も潤沢で、フリーキャッシュフローもプラスです。
当期純利益に対するフリーキャッシュフローを示す「フリーキャッシュフローコンバージョン」も100%を超えているので、現金比率は問題ないと言えそうですね!
画像元:https://s2.q4cdn.com/974527301/files/doc_financials/2019/q3/Q3-2019-Earnings-Presentation.pdf
⑥増配してるか?
その銘柄が増配しているか?のチェックです。配当金は「dividends」の表記ですが、今回スリーエムの配当金額は$828Mなので、前年同期比の$794Mよりも増えています。(さすが連続増配銘柄!)
画像元:https://s2.q4cdn.com/974527301/files/doc_financials/2019/q3/Q3-2019-Earnings-Presentation.pdf
ちなみに株数は「582,287,135 shares(September 30, 2018:)」から「575,050,655 shares(September 30, 2019)」と推移しており、昨年よりも減っています。つまり1株あたりの分配額も増えることになりますね。
⑦ROE(自己資本利益率)
ROE(Return on equity)は自己資本利益率で、株主資本に対する当期純利益の比率です。「投資額に対してどれだけ利益を効率良く得られているのか?」を表しているので、株主から見て大事な収益性の指標と言われています。
ROEは決算書スライドになかったので、財務諸表から数字を引っ張ってきたところ、今回の決算では自己資本$10,764Mで純利益は$1,583M、昨年2018年は自己資本$10,311Mで純利益は$1,543Mでした。
★今回のバランスシート画像元:https://s2.q4cdn.com/974527301/files/doc_financials/2019/q3/Q3-2019-Earnings-Press-Release.pdf
★昨年のバランスシート画像元:https://s2.q4cdn.com/974527301/files/doc_financials/2018/Q3/Q3-2018-Press-Release.pdf
画像元:https://s2.q4cdn.com/974527301/files/doc_financials/2019/q3/Q3-2019-Earnings-Presentation.pdf
計算すると、今年の3QはROEが14.7%、昨年は14.9%ということで推移としては微減しています。ただ、ROEについては10~20%の水準であれば良いとされているので、問題なしと判断して良いと思います!
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最終的な判断には事業への納得感が大事
さて、7つの項目を見てきましたが、売上の減少以外は投資先として概ね問題ないんじゃないかなと感じました。
とはいえ数字だけを見ればいいのではなく、「これからも成長できるビジネスモデルの会社だ!」という、投資先としての自分の納得感も重要です。
そこで言うと、スリーエムは世界的に幅広い事業を展開しているコングロマリットで、インダストリアル事業、ヘルスケア事業、コンシューマー事業、セーフティ&グラフィックス事業、エレクトロニクス&エネルギー事業の5つの事業を有しています。
画像元:3Mホームページより
全体での売上高は300億ドル以上になるし、このグローバルな牙城やブランド力・商品力は、なかなか他社に切り崩せないと思います。
今は売上が伸び悩み株価が下がっていますが、将来的な成長については安心感があります。なんといっても60年の増配実績がありますし!
まとめ
ということで、今回は米国株の指標チェックとしてスリーエムを調べてみました!今までは定性的に銘柄を選んでいましたが、今後新しい株を買うときは、今回のような指標チェックも併せて検討しようと思います。
個別株選定の際、よかったら参考にしてみてくださいね!ではまた!
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