最近、ベーシックインカムという制度が話題です。
ベーシックインカムとは、国民全員に最低限生活できるだけの現金を支給し、国民の生活を保障しようという制度です。
例えばですが、国から毎月10万円が無条件に支払われ、それだけで生活しても良いし、さらに仕事をして収入を得てもOK。
ヨーロッパなどは導入について積極的に議論されていて、国レベルではフィンランドが世界で初めて、試験的に導入を開始。540万人の国民全員に月額800ユーロ(約10万円)を支給したとのニュースも流れています。
このベーシックインカムについては、以前に下記記事でも少し触れました。
働かないでお金がもらえるなんて、そんなことをやっていいのか?そもそもそんなお金ないでしょ?何か裏があるんじゃないのか?
そう感じるのが一般的な感覚かもしれませんが、多くの国が大真面目に検討しているのですよね。
ここでは、このベーシックインカムのメリットと課題、そして自分の考えについてまとめてみました。
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Contents
ベーシックインカムのメリット
あらためてベーシックインカムとは何か。wikipediaからの引用です。
ベーシックインカム(basic income)とは最低限所得保障の一種で、政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を無条件で定期的に支給するという構想。基礎所得保障、基本所得保障、最低生活保障、国民配当とも、また頭文字をとってBIともいう。
引用:wikipedia ベーシックインカム
無条件での現金支給、やっぱり素晴らしいですね。笑
冒頭では「そんなことやっていいのか?」と記載しましたが、ベーシックインカムって実はメリットがたくさんあるんです。お金がないからできなかった…ということが改善されるわけですからね。
少子化対策につながる
よく話されるのが、少子化対策です。
近年は経済的な問題で結婚しない、もしくは子供を作らない家庭が多くなっているので、ベーシックインカムで収入が増えれば、結婚・出産の機会も増えて、少子化問題も緩和するだろうと言われています。
うちも現在はDINKSですが、子供を持つとなるとどうしても経済的な負担については考えますし、感覚的に言っても、少子化対策に繋がる可能性は高いなと感じます。
「もっと子供が欲しいけど2人以上は経済的に難しい」なんて家庭も、ベーシックインカムによって、理想の家庭が築けるかもしれませんよね。
労働意欲が上がり生産性が高まる
ベーシックインカムがあれば生活費は保障されるので、生活のためだけに仕事をする必要はなくなります。
生きるために無理して嫌な仕事をしている場合、そのような仕事を辞めて、給与は下がっても自分に合う仕事を選ぶ、なんてことができるんですね。(そもそも働きたくない人は、極論働かなくても良いわけです。)
こうして人材が適材適所に配置されると、労働者はやりたいことがやれて、各個人の労働意欲は高まります。そうした結果、社会の生産性も上がっていくという考えです。
実際、人って嫌々仕事をすると生産性は著しく低いし、逆に積極的に取り組んでいるときのパフォーマンスはすごいです。働きたい人だけ好きなように能力が生かせる、好きなことができる社会が実現したら、国民の幸福度は上がりそうですね。
ブラック企業問題の解決
上記のように人材が仕事に縛られなくなると、必然的にブラック企業は是正されていきます。なぜなら、ブラックな環境では今以上に人が定着しないためです。
企業を存続させるための環境整備がさらに必要となるので、劣悪で人が定着しない企業は淘汰され、働きやすい企業しか生き残れない構造になっていくんですね。うん、これは素晴らしい仕組み。
チャレンジできる社会になる
労働意欲の向上とも似ていますが、「経済的な理由で起業・独立に踏み切れなかった」なんて人にもメリットがありそうです。
ベーシックインカムという最低保証があるので、起業や独立という選択をする人も増えていくと予想されています。そうすることで、これまでにないモノやサービスや作られる可能性が高まっていく。
また、自己投資の時間も作れるわけなので、学問を学んでやりたいことの準備をしたい人にとっても良いですね。
その他にも、ベーシックインカムには下記のようなメリットが挙げられています。
・地方の活性化(ベーシックインカムの金額は一律なので、物価の安い地方に移り住む人が増える)
・社会保障制度の簡素化(失業保険、生活保護、基礎的な年金がベーシックインカムに統一化)
・行政コストの削減
・景気回復
・余暇の充実
・ワーキングプアの緩和
・海外の安い労働力にも対抗可能
・犯罪の減少
日本での導入には課題が山積み?
ヨーロッパでは導入に積極的で、メリットもこんなにたくさんあるベーシックインカム。こう見ると、「日本でも導入した方が良いのではないか…!?」と感じてきますが、やっぱり課題はあるようです。
財源問題
まずは財源について。
今の日本の財政で、もし増税をしないでベーシックインカムを導入する場合、年金・生活保護・雇用保険・児童手当や各種控除をベーシックインカムに置き換えることで、毎月約5万の支給が可能のようです。
しかし、ベーシックインカムの支給額は月額5万〜10万円程度で議論されることが多いらしく、「はたして5万円の支給でいいのか」「もし増額する場合は、その財源をどこから徴収するのか」、などが争点になってきます。
メリットではなく、むしろデメリットになる?
先ほど挙げたメリットは実現しないのではないか?という批判も存在します。
例えば犯罪について。
ベーシックインカムを導入すると、お金のために罪を犯す人が減るので、犯罪率も減少するだろうという意見があります。しかし他方では、社会的弱者に現金が渡ると、詐欺などの手口で騙し取られ、反社会的勢力の資金源になるのではないか?といった見方もあるようです。
また、刑務所から出所したあともべーシックインカムで最低限の保証はあるわけだから、犯罪の抑止力が低下するといった恐れも叫ばれているんだとか。(犯罪者には減額すればいいのでは?なんて思うけど)
さらに、労働については、人材の適材適所がされたとしても、過酷な労働については労働者がいなくなり、社会が回らなくなるといった批判や、ベーシックインカムを受け取りながら物価の低い海外へ移住する人が増え、所得が海外に移転してしまうのでは?という経済的観点の批判もあります。
うーん。。難しい。。
そもそも今の日本では賛同が得られない?
そして、今の日本では実現が難しいとされる最大の理由があります。
それは、多くの高齢者が年金の減額を許さないため、ベーシックインカム導入を掲げる政党は支持率が得られないという問題です。
既に記載したように、ベーシックインカムは年金や生活保護、雇用保険を基にする制度です。国民全員に支給する分、当然ですが高齢者の支給分は減らさざるを得ません。
若者は政治に関心がないため、全ての政党は高齢者の票で支えられている。自分たちの生活を脅かす制度を掲げた政党を、高齢者が指示するはずがないですからね。
この見方からも、日本での導入はしばらくはないだろうとする意見が多いみたいです。。これが、既得権益の強さです…。
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私見:ベーシックインカムはあった方がいい!
さて、長らくベーシックインカムの説明をしてきましたが、個人的にはベーシックインカム賛成派です。
国レベルでの試験導入はまだフィンランドのみですが、各地域では試験導入をしているところが結構あります。アフリカ南西部に位置するナミビアという地域の村で行われた実験では、ベーシックインカムにより犯罪率が42%減少し、貧困世帯が減り、商売を自分で始める人が増加したという事例もあります。
このように、実際にメリットも報告されているのだから、日本でもとりあえず試験的に導入して欲しいと思うばかり。デメリットもそりゃあるだろうけど、トータルの結果はやってみないとわからないじゃん!っていうね。
まとめ
最近話題のベーシックインカム。
是非は人それぞれだと思うけれど、日本はこのままいったら年金問題で絶対行き詰まるのだから、「日本版ベーシックインカム」を作って、試しに導入して欲しいなと感じます。
国民が経済的な不安なく暮らせる経済基盤ができれば、今よりは豊かな社会になるのではないかな、なんて思ったりしますね。
よかったら参考にしてみてください。
ではまた!
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