投資信託の説明を見ると、「為替ヘッジあり/なし」といった表記をよく見かけます。

為替ヘッジはなしでもよい!なんて記事を昔見たことがあり、これまではとりあえず「なし」を選んでいたのだけど、具体的に為替ヘッジってなんなんだろう?と改めて思いました。

これからも長期的に投資をしていく中で、わからないことを放置してはいけないよね。そんなわけで今回は為替ヘッジについて調べてみたので、お伝えしますね。

 

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為替ヘッジとは?

為替ヘッジとは、投資信託を換金する際の為替変動リスクをなくすための処理のことで、外貨建ての投資信託を購入する場合に用いられます。

例えば、為替が1ドル100円のときに、外貨建ての投資信託を100ドルで購入したとします。1年後、投資信託の基準価格(価値)が変わらない場合、その投資信託は100ドルのままですが、もし為替が1ドル90円(円高)に変動していたら、日本円では9,000円となり損をしてしまいますよね。

このような為替変動リスクを避けるため、定められたら為替レートで取引ができるよう予め予約しておくわけです。そうすればもし円高なっても、損をせずに済む。これを為替ヘッジと言うのですね。

もちろん誰がどのタイミングで解約するかなんて投資会社もわからないので、過去のデータを用いて日ごとの取引件数を予測し、為替予約をしているのだと思います。すごいよねぇ、データ分析って。

為替ヘッジにはコストがかかる

為替変動リスクを抑えられる為替ヘッジですが、お察しの通りタダではなくコストがかかります。それは、取引コストと為替ヘッジコスト(もしくは為替ヘッジプレミアム)の2つです。

下記にて具体的に説明いたします。

取引コスト
為替予約をするにも勿論コストがあります。業務を行っている金融機関が存在しているわけですからね。為替予約をすること自体にコストがかかるのです。

為替ヘッジコスト/為替ヘッジプレミアム
これがちょっと難しいかも。取引コストとは別に、為替ヘッジコストという負担が存在します。これは、2国間の金利差を反映したコストを指すのだけど、それだけではわからりにくいので、もう少し説明をしますね。

例えば、日本の金利が1%(本当はもっとめっちゃ低いけど便宜的に)で、アメリカの金利が3%だったとする。現在1ドル=100円の為替レートだとしたとき、日本で100円を1年間預けると金利によって101円になります。

一方でアメリカにて1ドルを1年間預けると1.03ドルになりますよね。このように、国により金利が違うので、通貨の将来価値も国によって異なるわけです。

実は為替予約をする際は、この金利差が考慮された為替レートが適用されます。上記の条件で考えたとき、今1ドル=100円でも、各国の金利を考慮すると1年後は1.03ドル=101円となります。つまり為替予約のレートは1ドル=98.0582524円となるんですね。

このレートでは、1ドルを持っていても100円ではなく約98円しか受け取れないわけなので、差額の約2円が為替ヘッジコストになるのです。

ちなみにこれがプラスの差になれば為替ヘッジプレミアムとなり、得をすることになります。

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結局為替ヘッジあり、なしどっちがいい?

為替ヘッジをしておけば為替変動リスクを抑えられるので、円高になっても安心。だけど円安になったときの恩恵は受けられないし、コストもかかる。一体どっちが得なのだろう?

これは好みにもよるかもしれませんが、個人的には為替ヘッジなしの方がいいと考えています。

理由は単純で、為替ヘッジをすることで間違いなくコストがかかってくるから。

投資信託は長期保有が前提の商品です。

長期で見ると、短期的には小さなコストでも積もりに積もって、数十年後には大きな差になってきます。

為替ヘッジをしなければ、確かに為替変動リスクは残りますが、少なくとも為替予約にかかるコストは避けられます。

円高になったら損がでる可能性もありますが、投資信託は長期保有が前提だから為替レートが良いときに解約してもいいわけだし、為替の変動はそんなに気にしなくても良いのでは、と思っております。

為替ヘッジありを選ぶのは、多少の損をしてもいいから為替リスクを限りなく減らしたい!という志向の人なんじゃないかな。

まとめ

調べてみて、なかなか奥が深かったですね。為替ヘッジとは、為替変動リスクを為替予約によって最小化する方法。しかし、その分のコストがかかってしまうものです。

個人的な結論として、長期で資産形成をするなら為替ヘッジなしの投資信託を選ぶのがいいんじゃないかと思います。

 

 

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